約 980,464 件
https://w.atwiki.jp/saisyouhu_hankoku/pages/129.html
ここに記載されていないデータがある場合、編集して書き入れてださい。 編集わかんないとかめんどい人はページ下のコメント欄にデータ書き入れてくれると助かります。 宰相府庁付属託児所 PC所有物件 付属建築 * 宰相府庁付属託児所 名前:宰相府庁付属託児所 スケール:4 能力:C 種別:託児所 用途:託児所 HP:0 設定: 宰相府付属託児所は、宰相府に務める秘書官や職員の子供達を預けるために宰相府の省庁エリア内に新設された施設である。 この託児所は、主に私学校入学年齢以下の子供を預けることができるが、相談次第では少々年齢の高い子供も預けることができる。 子供の健康と安全を最優先とし、各種セキュリティシステムを配備し、しっかりとした専門教育を受けたケアスタッフ達が子供達の相手をしてくれる。 子供が急病の際は、ケアスタッフの処置と並行し、即座に省庁で働く親にコールが届くようになっている 上へ PC所有物件 //奥羽りんく 名前:庭のある一戸建て(奥羽家) スケール:4 能力:C 種別:自宅 用途:自宅 HP:0 奥羽一家が暮らす家。ちょっとした庭があり、家庭菜園があったり木にくくりつけられたブランコのような遊具があったりする。二階建ての4LDK。夫婦の寝室と子供部屋がある。ちなみに各部屋には猫用の潜り戸がついていて、きょうへい2は出入り自由。からくり時計や本棚なども設置されており、ほんわかゆったり過ごすことができる。 //矢上麗華 名前:光と風を感じる家 スケール:4 能力:C 種別:自宅 用途:自宅兼核シェルター HP:0 設定 スィートホーム カンパニーで建てたオリジナルハウスをベースに建て直した家 地下2階地上2階建て。地下2階はシェルター。 かつて宰相に「過剰準備傾向がある」と言わしめ、さらに家主の好きな言葉「備えあれば憂い無し」を実践した過剰気味の防犯設備とシェルターも装備。 補修やリノベーションを定期的に行っているため常に快適に過ごせるようになっている。(地下2階以外SHCさんにある見取り図から大きな変化なし) 玄関から出入りができ室内からも愛車を眺められる車2台分収容可能なゆとりのガレージや、壁には広大な自然を一望できる大きな窓、ゆったりとした広い浴室、住む人を視覚・嗅覚・感覚を通して存分に癒せるように配慮。 地下の部屋へは地上部に設けた開口部から自然光を取り込み、高効率の光伝送ダクトによって側面採光を行っています。 また電源系統を強化、最低でも70Aまで問題なく使用可能。 災害等有事の際には避難できるように地下2階にシェルターを増築。 財力に物を言わせて最高級仕様となっています。 もちろん発電機等生きるために必要な物資もシェルター内に確保済み。 //アシタスナオ個人 名前:ハウス オブ ジ アシタ スケール:4 能力:C 種別:自宅 用途:自宅(I=Dガレージ兼作業場付き) HP:0 <解説> アシタスナオが居住する、ガレージ付きの家。現在の宰相府の領地にご厄介になる上で用意してもらったもの。 もっともポピュラーなタイプの家を選んだが、あえて言及するならばガレージが少し大きい。 これは、バンタンクが入れるように、および技術開発者としてのアシタスナオが作業などを行えるようにと考えて要望したものである。 名付けについては、そういえば改名する時には家の名前も変わるのかなー?、などとぼんやり考えている。 //高原鋼一郎個人 名前:憩いの我が家 スケール:4 能力:C 種別:自宅 用途:自宅(兼奥さんの趣味の庭園) HP:0 設定 宰相府高原領にある高原家の邸宅。乾いた草地に囲まれた三階建て。 高原家が家族で住む家にはこの名前を付ける慣習があり、この家は2代目の家。 大きな木が家の中央に生えているのが特徴。 部屋割りは高原とアララが同じ部屋で、皆で囲めるテーブルがあるリビングや子供たちそれぞれの個室がある。 コンロや風呂などの生活器具は宰相府での環境に合わせてオール電化されている。 庭には自家用機の待機場(寝床ともいう)の他、アララの趣味で育てている植物の花壇や高原の趣味用のガレージがある。 //ポレポレ・キブルゥ個人 名前:店舗付き住宅 スケール:4 能力:C 種別:自宅 用途:自宅(兼万屋事務所) HP:0 設定 ポレポレが養女のレイファンと住むために立てた家。万屋は昔やっていた多目的ショップで、今は主に各地の産物の通販サイト。 2階建て。1階にLDK及び万屋の事務所と受付とトイレ。2階はポレポレ私室、レイファン私室、空き部屋、風呂トイレ等の水回り、ベランダ。 ネットがない人や一部の業務用に受付があり、パートの人達がそこと事務所で働いている。玄関は万屋と住居部分で2つ。駐車場は自動車三台分ある。 周囲の監視カメラ、それなりの防犯設備、屋上にソーラーパネルなど、家主の趣味で色々なものが配置されている。 //鷺坂祐介個人 名前:道場付き一戸建て スケール:4 能力:C 種別:自宅 用途:自宅(兼道場) HP:0 設定 養女の縁を迎えるにあたって建て替えを行い、二階建て3LDK(一階:LDKと併設道場、二階:洋室が二部屋と和室)にした自宅。 風呂トイレ別、キッチンはガスの3口コンロにした。また道場が併設している。 各部屋と道場にエアコン内臓。雷鼠と風鼠用の通路もある。 道場は剣道場であり、神々のクエスト箱が設置されている神棚と木刀、防具が置ける棚がある。 日本家屋的な感じであり、道場を含めるとちょっとした避難所にもなる。 //沢邑勝海個人 名前:めぞんツン2号館・沢邑家 スケール:4 能力:C 種別:自宅 用途:自宅 HP:0 設定:管理番長小宇宙が管理している集合住宅であるめぞんツン2号館、沢邑勝海所持の部屋。 養女であるかなみと住むことになってから、間取りを家庭用に改装した。生活する各自の部屋の他に被服と手芸が行える作業スペースがある。 改装と同時にキッチン・洗濯スペースの家事設備を使いやすくリニューアルし、リラックスできるように浴槽を大きめにして入浴機能を強化してある。 //夜上林檎個人 名前:夜上家 スケール:4 能力:C 種別:自宅 用途:自宅 HP:0 広すぎず、狭すぎず、家族が過ごすのに丁度いいサイズの一軒家。4LDK。 本好きの養女の為に壁一面の本棚がある可愛らしい個室、夫婦の寝室と各々に趣味用の作業部屋が用意されている。 //シュワ シュワ開発工廠(施設) 設定: 宰相府藩国の砂漠地帯に滑走路と共に設置されている国家施設。帝國内で多くのI=Dを開発しているシュワに対して宰相が与えた。 工廠とは一般的には生産工場としてのイメージがあるが、こちらについては技術開発的な側面が強く表れている為、宰相府により機密保持の為の厳重な情報管理と警備が行われている。 この工廠の入り口には、工廠で時を共に過ごした過去の技術者達への思いと帝國のI=D技師としての矜持を込めて「正義最後の砦」とシュワが自ら大書した看板が掲げられている。 名前:シュワの自宅 スケール:4 能力:C 種別:自宅 用途:自宅 HP:0 シュワ開発工廠の付近に設けられた自宅。個人ACEであるセーラと養女のマリアも同居している。 砂漠地帯に建設された建築物ではあるが、近隣には工廠や宰相府の施設に務める者達の為の住宅もある区域であるため、家の中では快適に過ごすための環境が整備されている。 宰相府の交渉の所長として恥ずかしくない程度には整っており、来客用の応接間がある。 住民用の共有スペースは寛ぎを重視しており常に整理されているが、シュワの自室は雑然となることが多いため、定期的にセーラやマリアに叱られては片づけを行っている。 上へ 付属建築 //ポレポレ・キブルゥ個人 名前:整備社寺(ポレポレ用) スケール:3 能力:C 種別:付属建築(自宅用) 用途:騎機の駐機場所 HP:0 設定 先日仲間になった騎機の瑞雲用のスペース。万屋の裏にあり、瑞雲の整備・メンテナンス用の機能を持つ。 瑞雲本人の希望に沿うように、見た目が日本家屋っぽい。周囲を花で囲みたかったが、西国の日照の関係で花の生育が厳しいので、日影が出来る整備寺社の外壁付近に花壇を作り、散水用のスプリンクラーをつけている。 ある時、野菜の種を花壇に植えて栽培しようとした奴が出る事件が起き、事態を丸く収める為の紆余曲折を経て、豊作祈願として花壇の横に畑を作り、そこで取れた作物をみんなで鍋料理にする風習が出来た。 名前:万屋運送 スケール:3 能力:C 種別:付属建築(自宅用) 用途:運送業、アイテム輸送サービス HP:0 設定 かつて万屋でやっていた輸送サービスを復活させたもので、荷物の集配や積み込みを行う場所。 主に万屋の商品や、万屋に持ち込まれた依頼品を指定された場所まで輸送する。 荷物持ち込み時には身分証の確認や荷物の見分などを行い、藩国をまたぐ場合は税関を通すなどで、違法品対策を行っている。 配送スタッフは、ポレポレもしくは身元が明確で信頼できる契約業者。 クリスマスやなどのかき入れ時は、作業補助で臨時のバイトを雇う。 監視カメラ、緊急時の消火設備、医療設備などが備え付けられている。 名前:万屋アイテム作成所(仮) スケール:3 能力:C 種別:付属建築(自宅用) 用途:アイテム作成、素材販売 HP:0 設定 かつてのアイテム作成サービスを復活させたもの。(仮)まで含めて当時の名前。 アイテム作成環境を整えたスペースをレンタル出来、素材の持ち込みや万屋での素材購入も可能。 3Dプリンターや各種工具などの作成ツールが揃っているが、魔法関係の作成ツールは少ない。 1日単位でレンタル可能。利用には予約と身分証の提示が必要で、予約の無い日は閉まっている。 たまにポレポレが適当なものを造って動画配信している。 監視カメラ、換気扇、消火設備、医療設備などが常備。 //高原鋼一郎個人 名前:オールドシルバー用I=Dガレージ スケール:3 能力:C 種別:付属建築(自宅用) 用途:I=Dガレージ HP:0 設定 高原家の自家用機、オールドシルバー用のガレージ。寝床とも呼ばれる。 ボディが改装などで変わった際でもわかりやすいように、このガレージはトラリスのオールドシルバーが宿った機体が寝る場所となっている。 鋼児用I=Dガレージ スケール:3 能力:C 種別:付属建築(自宅用) 用途:I=Dガレージ HP:0 解説: 次男の高原鋼児用の機体が置かれるガレージ。駐機場ともいう。 こちらは譲り受けたI=Dが主のため、機械を簡単に整備するための道具なども置かれている。 ただし、道具類は誰か大人と一緒じゃないと使ってはいけないという約束。 騎機用I=Dガレージ スケール:3 能力:C 種別:付属建築(自宅用) 用途:I=Dガレージ HP:0 解説: 日本型騎機、電光用に新たに建てられたガレージ。 二足歩行で機体が出入りしやすいようになっている他、高原家の家族が摘んだ花が飾れるスペースがある。 //鷺坂祐介個人 名前:人騎兵ガレージ スケール:3 能力:C 種別:付属建築(自宅用) 用途:人騎兵ガレージ HP:0 設定 個人機である雷嵐号を格納と簡易整備するために自宅に併設したガレージ。 改装を行った大和丘のD社より購入した整備部品を置けるスペースがあり、雷鼠と風鼠用の通路も作っている。 セキュリティ強化とカモフラージュが厳密にされており、祐介・風住・雷鼠・風鼠以外は認証なしで入ることも出来ない。 本格的な整備などは宰相府のファクトリーナイト用のガレージで受けており、こちらのガレージに置かれていることはあまりないが、個人機であるため用意をしている。 名前:整備社寺 スケール:3 能力:C 種別:付属建築(自宅用) 用途:騎機用の家 HP:0 設定 騎機:青嵐を鷺坂家に呼ぶために用意した騎機の家。鷺坂家の隣に誘致している。 自己整備ができる騎機ではあるが、ちゃんとした騎機用の整備・補給のための施設も必要であり、青嵐が居心地がよい施設として社寺となっている。 鷺坂家は神々の縁があるため、青嵐の神としての性質とも親和性が高く、お互いが暴走しないように上手くバランスが取れるように、鷺坂家一同協力をして管理をしている。 //シュワ 名前:カラオケルーム スケール:3 能力:C 種別:付属建築(自宅用) 用途:防音室 HP:0 シュワの自宅の付属施設。名前の通りカラオケを歌う為の機器や照明、防音設備を整えた部屋。マスカラやタンバリンなども置いてある。 主にシュワがストレスを発散するために大声で歌えるように設けられた。セーラやマリアが使用することもある。 基本的に各自が好きな時に使っているが、タイミングがあえば歌合戦やデュエットをすることがある。なお、飲食物は持ち込み制。 上へ * 上へ 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/dispecter/pages/71.html
概要 ウマ娘のトウカイテイオーがレクスターズに目覚めた姿。 ジョルノ・ジョバァーナの力を纏っている。 ストーリーでは『歪んだ憧れ』皇鬼接続 シンディオ・ランドルフとのレースを繰り広げ、その後も戦い続けている。 FT 未来伝説 トウカイテイオー 少女の目に映るのは、醜く歪んだ憧れだった。 トウカイテイオー〈ジョルノ.star〉 黄金に輝く憧れと覚悟が、不屈の心と共に魂を解放する。 継承 トウカイテイオーが自らの頭の中に響いた声に従って進んだ先には、明らか先程までとは違う光景が広がっていた。 暗闇。 まるで今の自分の心境を表すかのように一面が塗りつぶされたような漆黒に染まっている。 そして美しい金髪をチョココロネのように整えた奇妙な髪型と雰囲気を持った青年と対面した。 「はじめまして。僕はジョルノ・ジョバーナ。あなたのことはすでに声から聞いています。 君の世界もこの異変に巻き込まれていて、立ち向かうための力を求めている。」 「ですが、このことに関しては僕も必死です。見ず知らずのアンタをハイそうですかと信頼することはできない。なので簡単なテストを一つ。」 そう言うジョルノの指差す先に光が指した。 「テストと言うのは君の覚悟と信念を見せてもらうことです。トウカイテイオー。君たちウマ娘は走ることに関して何よりも覚悟と信念を持っていると聞きました。この僕とあの光までかけっこして勝てたら君のことを信頼しよう。どうです?」 ジョルノの問いかけにテイオーは首を縦に振った。 「では、スタート」 テイオーからみてジョルノは遅かった。 日頃からよく体を動かしているのだろう。普通の人間より少し速かった。 だがそれだけだ。 人間がウマ娘に走りで勝てるわけがない。 テイオーは勝利を確信していた。 テイオーは考えてもいなかったであろう。 自分たちの日常がある今日突然崩れ去ったようにこの世に絶対の道理など存在しない。 この事実を叩きつけるかのようにテイオーにある理不尽が降りかかる。 「アレ?追いつけない…」 気づけばジョルノの背中はどんどん離れて、光の方へ向かって行く。 テイオーはいくら足を動かしても、いくら体を前に押し込んでも、ジョルノに追いつけない。 むしろ、テイオー自身が全く進んでいないのだ。 そしてさらにジョルノは遠く光の彼方に去っていきそして、 「この勝負、僕の勝ちですね?」 済ました笑顔でテイオーの後ろに立っていた。 「……もう一回…」 「はい?」 「もう一回…お願いします…!」 「ええ、かまいませんよ。」 テイオーはそう答えたジョルノから悪魔のようなドス黒い何かを感じていた。 「もう一回」 「もう一回」 「もう一回」 これから何回負けただろう。何度やっても勝てなかった。 がむしゃらに走っても只々疲弊し、フォームに秘密があるのか観察してみたら、実に非効率な少なくとも競技ランナーは絶対しないような走り方だというのがわかった。 相手は…ジョルノの走りはテイオーからしたらスットロイ亀のような…負ける訳が無いモノ。 なのに勝てない自分がここにいた。 ………テイオーにとって走りは全てだった。 そのために努力を重ねた。どんな困難にも打ち勝ってきた。友人やトレーナー。大切な人達と積み上げて来た。 「もう諦めたらどうです?」 地べたにへたり込んだテイオーを見下げながらジョルノはそう言い放つ。 「いや、まだ…もう…一回…」 肩で息をしながらもテイオーは立ち上がり再戦を要求する。 「強情な人だ。どこかの誰かを思い出すな。」 二人はまたスタートラインにつく 「まただ…体が動かない。」 今まで通りテイオーの体はまるで始めから動いてなかったかのように進まず、ジョルノの体が遠のいて行く。 「ああ、ダメだ。やっぱりボク…諦めたほうがいいのかな……。」 お前にはどうすることもできない。 そうでも言ってるかのようにテイオーはジョルノに勝てない。 「マックイーンやチームの皆…それだけじゃない…この世界中がメチャクチャになっちゃった。」 「ボクももう前みたいに走れなくなっちゃうのかな?」 「そんなの…イヤだ!!」 自分思いがこみ上げてきて響く。 「それに約束したじゃあないか!!もう絶対諦めないって!マックイーンやトレーナ達や皆と!!」 進まなくても、追いつけなくても、確実に一歩一歩を踏んでいく。 「こんな理不尽に屈服して、大好きなモノをボクは!諦めたくないんだぁーーー!」 「…これが…テイオー、アナタの信念…そして覚悟ですか。」 ジョルノはテイオーの手を掴んでいた。 そしてドン底から引き上げるかのように手を引いた。 「わかりました。アナタのその黄金のような覚悟に…僕も応えましょう!」 テイオーの周りを包んでいた暗闇は消え失せ、黄金の輝きがあたりを照らしていた。 空間から抜け出したテイオーは何か力が湧くのを感じていた。 「なにこれ…勝負服みたい。」 テイオーの身を包む衣服もまるで黄金の竜…そして天道虫の嗜好を持った物に変わっていた。 「よし、待っててマックイーン、皆!」 トウカイテイオーは前へ駆け出していく。 その走りはまさに黄金のように輝き続けながら自身の大切なものを取り返すために!! タグ ウマ娘 ジョジョ レクスターズ 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/justicerowa/pages/213.html
記憶の欠片 ◆EHL1KrXeAU 地図中央にあるコロッセオ。 そこを目指しながら2人の男が歩いていた。 「あっ町が見えてきましたよ。もうすぐです。がんばりましょう。」 普段から歩きなれているのだろうか、夜道だというのにやたら軽快に歩く青年は言った。 「五代くんは冒険家だったね。さすがにサバイバルに慣れている動きだね。」 「はい。最近はちょっと色々あって冒険には行ってないんですけど…」 何か事情があるのだろうか。色々の部分に質問しようとしたが そういうところを深く追求しないのが平穏に生きるコツであるのを体で覚えている吉良はそこに触れなかった。 「そういえば、2000の技ってのが名刺に書いてあったね。若いのにすごいね。 しかし、なんで2000の技を覚えようとしたんだ? 文字通り自慢じゃないが、私は人に見せられるようなものは何一つ持ち合わせていなくてね。 ハハッ、学生時代は学業も運動も常に上位一歩手前だったし。君が羨ましいよ」 ん?学生時代?何故か少しだけ思い出せたぞ。まぁ気にする事もあるまい。 吉良はまだ理解していないが、先程確認した支給品のキラークインという言葉を読んだときに少し記憶が蘇ったようだ。 「俺の父は戦場カメラマンをしてたんですけど、小学校の時に父親を亡くしているんです。」 「おっと、それはすまないことを聞いたね。」 ズキン。なんだ、父親が亡くなった…?そういえば私の父親は…… 「いえ、もう平気ですから。でも、当時は結構落ち込んじゃって、その時の担任の神埼先生に教わったんです。」 ◇◇◇ 「五代雄介。こういうのを知っているか?」 そういって右腕を突き出し親指は立てる。 ——サムズアップ 「古代ローマで、満足できる、納得できる行動をしたものにだけ与えられる仕草だ。お前もこれにふさわしい男になれ。 お父さんが亡くなって確かに悲しいだろう。でも、そんなときこそお母さんや妹の笑顔のために頑張れる男になれ。 いつでも誰かの笑顔のために頑張れるってすごくステキなことだと思わないか? 先生は……先生はそう思う。」 ◇◇◇ 「そのときに先生と約束したんです。みんなが笑顔になれるような技を2000年までに2000個習得するって。」 何気なくでた2000年という言葉。 ここでは様々な年代から人々が集められているが、吉良がいた時代は1999年。たまたま違和感を覚えなかった。 内心どうでも良いと考えていたが、表情には出さずに五代の話を聞いていた。 「吉良さんもやってみたらどうですか?自然と笑顔も出てきますよ!」 内面はどうあれ、表面上は社交的なサラリーマンの吉良。五代に言われ仕方なしにとサムズアップの動作をしてみる。 その時かすかに吉良の手に触れた五代の手が大きくて、とても暖かく興奮を覚えたのはまた別の話で 「こうかい?」 愛想笑いを浮かべながらポーズをとる。 その瞬間、吉良の脳内に何かが蘇る。 ◇◇◇ ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド 早朝なのだろうか、通りにいる人は通勤途中の人が多く見える そんな街中で、対峙する血まみれの私と同じく血まみれの少年そしてその仲間と思しき数人の男 「"スイッチ"を押させるな———ッ!」 こちらに向かいながら叫んでいるリーゼントの少年 「いいや!限界だ、押すね!」 そういって指で何かボタンを押す仕草をしている私。 傍らになにか猫の顔のような人型の『何か』が私と同じ姿勢で存在している。 妙に親近感を覚える『こいつ』は一体なんなんだ!? ——その時の吉良の手だけみれば、そう、サムズアップのようだった… ◇◇◇ 「大丈夫ですか、吉良さん!!」 どうやら少し気絶していたようだった。 先程のは夢か?いや、夢にしては現実感がありすぎる。まさか、あれが死ぬ直前の私か?どうにもハッキリしない。 嫌な汗をかいてしまった。時間にして10分も立っていないだろう。 まったく私はいつも8時間睡眠を基本としているのに、こんな時間まで起きているとは・・・ ッ!?まただ、少しずつだが思い出してきている。核心的な部分はまだ思い出せないが確実に記憶が戻ってきているッ。 「すまない、もう大丈夫だ。ここにつれてこられる前に余り寝ていない日々が続いていたので緊張で疲労が溜まっていただけなんだ」 呼吸をするように自然に嘘をついて吉良は立ち上がる。 「そうですか。無理はしないでくださいよ。」 「あぁ、わかっているよ。だが、私のせいで時間を取らせるわけにはいかない。もう町は目の前だし、早くコロッセオに行かないとな」 ——くそっ一体なんだというんだッ。 平穏とは程遠い心境の吉良。 「あれ?誰か倒れてる。吉良さん、行きましょう」 ——時は少し遡る 走る。 走る。走る ただひたすらに走る。 ——私は人を撃ち殺した。 ここはコロッセオの横を走りぬけ、また路地裏へと入る。地図記号でいうとF-4のあたりである。 暗闇の中にうっすらと町並みが見える。あたしはあれから無我夢中でここまできた。 Dr.テンマを探す為ため? バットマンを探すため? 兄であるヨハンを探すため? それとも、また見ず知らずの人を殺すため? 走りながら首を振る。 今は何も考えたくない。とにかく一旦落ち着こう。 路地裏でかばんを降ろし一息つく。一応周りを警戒してみたがどうやら人の気配はないようだ。 ずっと走ってきたから服が汗で張り付いて気持ち悪い。 とりあえず水分を補給しようとバックからペットボトルを取り出し水を飲む。 ゴクリ。汗をかいて渇ききった体に水分がいきわたる。ペットボトルをかばんに戻し名簿を手に取る。 ——バットマン…あいつを探して、ここに連れてきてくれ……。憐れな道化が、此処で死んだと、伝えてくれ…… バットマン。こうもり男。ニックネームだろうか。彼の友人なのだろうか。 死ぬ間際に伝えたいといった人間だ。きっと親しい関係なんだろう。 その名はたしかに名簿に載っている。 出会ったら伝えないと。そういえば私はあの道化の格好をした彼の名前をしらないことに気づいた。 会って伝える。一体何を?彼がコロッセオ付近で死んだと?そう伝えたらバットマンはきっと私にこう尋ねるだろう。 どうして彼は死んだのか、と。 ——こんな…ところを見られたら…お嬢ちゃんが危ない 死ぬ間際にも自分を撃った人間の心配をしてくれる優しい道化の彼。そんな彼を…… 私 が 撃 ち 殺 し た 走りながらもずっと握っていたモノを見つめる。心臓の音がすごく響く。 ずっと走ってきたから?いいや、違う。それだけでないことはあたしが一番良く知っている。何も考えまいと必死で走ってきた。 その反動だろうか、考えることが止まらない。 ヨハンがここにいる。この場所で、バラの屋敷の惨劇を、511キンダーハイムでの殺戮を再現しようとするはず。 止めなきゃ…でもあたしの手は既に…… ——そこであたしの意識は途絶えた ◇◇◇ ——おかえり 違う。 ——連れて行かれる兄、ヨハン 違う違う。 ——赤いバラの屋敷。42名の死体。そこに立っていた兄、ヨハン 違う違う違う。 ——あそこでヨハンは“なまえのないかいぶつ”になった 違う違う違う違う。 あたしじゃない…… 3匹のカエルの家で待っていたのは…… あそこにいたのはあたしじゃない…… 連 れ 去 ら れ た の が あ た し だ あの優しかったリーベルト夫妻、フォルトナー夫妻を殺した兄。 今まで私たちに優しくしてくれた人を殺してきた兄。 DR.テンマに……どんな生命も平等に扱おうとしてきたあの医者に、人殺しをさせまいと、私は兄を殺す。 そう、兄を殺すのには理由があるんだ。あたしは兄のように無感情に人殺しをする“かいぶつ”なんかじゃない。 ——倒れている緑の髪の男 道化のような格好をした男に対していきなり発砲した。そして、彼は倒れた。 彼を殺す理由なんてあったの?見ず知らずの人間を殺していい理由なんてあるはずが無い。 怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い ——いいかい、よくお聞き。人間はね、何にだってなれるんだよ。 兄を、違う、あたしを連れ去った男がこちらに手を伸ばしながら言っている。 何にでもなれる?あたしの話を聞いたヨハンが“かいぶつ”になったなら、実際にその場にいたあたしも? ◇◇◇ すぐに倒れている少女に駆け寄る。かすかに呼吸音がする。どうやらまだ生きているようだ。 「とにかく気絶した女の子をこのままにはできません。近くの民家に入りましょう。吉良さんは彼女の荷物をお願いします。」 そういうと五代はニナを担いだ。 「わかった。念のために彼女が手に持っている拳銃も預かっていた方がいいだろう。」 そういってニナの手から拳銃をはずして彼女のかばんにしまった。 前を歩く五代に付いていきながら、吉良は先程ニナの手に触れた部分を舐める。 白く透き通った肌。すらっとした長い指。女性独特の丸みを帯びた甲。少し汗ばんでいて暖かい手のひら。 吉良は自分が強く興奮していることがわかった。折原の手を触ったときよりも格段に強く。 ——欲しい ニナを担ぐ五代の後ろで吉良に何かが重なって、また消えた。 【F-4/路地裏 黎明】 【ニナ・フォルトナー@MONSTER】 [属性]:その他(Isi) [状態]:気絶 [装備]:無し [道具]:無し [思考・状況] 基本行動方針: 1:気絶中 [備考] ジョーカーの名前を知りません 【五代雄介@仮面ライダークウガ】 [属性]:正義(Hor) [状態]:健康 [装備]:アマダム [道具]:基本支給品、サバイバルナイフ、鉄パイプ、コルト・パイソン (6/6) [思考・状況] 基本行動方針:誰一人死なせずに、この実験を止める 1:少女を安全な場所まで連れて行く 2:コロッセオに向かい、Horと見た人を仲間に加え、Isiと見た人を保護する。 3:臨也、吉良を守る。 4:臨也を警戒。 [備考] 登場時期は原作35話終了後(ゴ・ジャラジ・ダを倒した後)。 クウガの力の制限については、後の書き手にお任せします。 ペガサスブラストでコルト・パイソンの弾が減るかどうかは後の書き手にお任せします。 【吉良吉影@ジョジョの奇妙な冒険】 [属性]:悪(Set) [状態]:健康、記憶喪失、なんかムラムラする [装備]:なし [道具]:基本支給品、Queenの楽曲三つが入ってるCDとそれが入ってるウォークマン 爆弾の作り方が書いてある本 ニナの支給品(中にハンドガンも入っています 不明支給品0〜2含む) [思考・状況] 基本行動方針:生き残り、平穏の中で幸福を得る 1:手ッ!少女の手にッ!興奮してしまうッ! 2:コロッセオに向かい、Horと見た参加者を擬似Hor集団に加え、Isiと見た参加者を保護する。 3:自分の"本質"を知り、"抑えられない欲求"を解消したい。 4:『東方仗助』と『空条承太郎』はなんだか危険な気がするので関わりたくない 5:支給品は何か理由があるのか? [備考] 登場時期は原作で死亡した直後。 記憶の大半を失い、スタンド『キラークイーン』を自分の意思で出せなくなり、その存在も不認知です。 なんらかのきっかけで再び自在に出せるようになるかどうかは、後の書き手にお任せします。 時系列順で読む Back 正義の業(前編)(後編) Next BATMAN:Tales of the Devil 投下順で読む Back BOY meets BAT , or Call of Duty Next BATMAN:Tales of the Devil 「Lights! Camera! Action!」 ニナ・フォルトナー 幼気 進行 五代雄介 吉良吉影
https://w.atwiki.jp/meteorit/pages/315.html
6月 星鋼京政府公認映画祭“ミューズ映画祭”の開催に関する声明 2010-06-02 00 26 05 チャリティーコンサート開催に関する声明 2010-06-02 00 26 05 詩歌藩国より来訪される吟遊詩人の方の受け入れに関する声明 2010-06-03 00 06 09 星鋼京藩国部隊による早期警戒範囲拡大の通達 2010-06-20 01 25 39 父の日に関する声明 2010-06-20 22 40 53 託児関係施設への開設支援に関する政策 2010-06-23 23 56 18 ナイトメアの奇病認定と、ご遺族への補償金贈呈に関する政策 2010-06-23 23 56 18 になし藩国への爆破テロに関して 2010-06-26 01 59 44 /*/
https://w.atwiki.jp/shinhunterhunter/pages/29.html
23話 24話 30話 32話 ■23話謎改悪 1 の 門 を 3 人 が か り で 開 け る ライセンスを持つプロハンターで、のちに会長選挙にも来てるシークアントが 新ハンタでは小物扱い(ライセンスも持って無さそうな小物の部下として回想に登場) キルア「これやるよ」→ガイコツ(原作・旧作)からリンゴ(新ハンタ)に キルア「肢曲教えてやるよ」 ・キルア「肢曲・・使えたんだな」 カナリヤ「私、流星街の出身なんですよ」「あの幻影旅団も流星街出身らしいですよ」 身長比がおかしい(シルバ=198cmを基準に推定した仮定ではキルアの身長110cm) 祖母勝手に作んなwww ゴトーに怒鳴りつけるキキョウ → ゴトー「奥様は消え入りそうな声だった」 執事の屋敷にゴンたちより先に到着するキルア キルア「ゴトー、ゴンたちが着いたらすぐ教えろよな」 → 言いつけを守らない ゴトー「キルア様がお着きになるまで・・・」 → 正式な客人に平気で嘘をつき私怨でゲームに付き合わせる けっきょく1の門を1人で開けられないままゾルディック家を後にするゴンたち キルア「ゴン、お前試しの門はクリアしたんだろ?」 → クリアしてないのにクリアしたこととして強引に進行 1の門を1人で開けられない奴に軽々と吹っ飛ばされる初戦相手の巨漢 ■24話シークアントが子分にされていた件について 「3年くらい前、ブラックリストハンターが100人くらい子分を連れて襲撃に来た事があっただろ」 「いたいた あんまりビビッてそのまま雇われちまったハンターが」 「…悪かったな」 の台詞から、シークアントは100人の子分を従えてたプロハンターであることが窺える ところがシークアントが《他人事のように》自分の過去をふりかえるこのシーンを 本当に他人の事だと誤読した為か、新作では以下のように改変 1.シークアントは子分の一人にされ、オリジナルキャラの親分が登場 2.試しの門を突破せず、侵入者の門から侵入 3.新人執事カナリアの実力を試す為、ミケはこの日だけお休み(2の矛盾を回避する為か) これによって起こる食い違い 試しの門を開けていないので(方法不問)、「門を開けられなければ守衛はクビ」というゼブロの台詞と矛盾 (守衛ではなくても、実力のある描写がされてないのでゾルディック家に雇われる要素が無い) シークアントがブラックリストハンターであるという描写が消滅→後の会長選で投票してる描写に影響 尚、旧作では【調べた上で試しの門を破城槌で突破してボコられる】という補完がされている ■24話その他の矛盾点 22話でゼブロが「ミケに余分な餌を与えたら怒られちまう」と言っていたが 過去の回想にて盗賊50人くらいミケに食わせようとしていた この時の脚本は米村正二だが彼は28話でも 原作の「極寒の地で全裸で凍えながらなぜ『辛い』のかわかっていないようなもの」 という台詞を 「極寒の地で全裸で凍えながらなぜ『寒い』のかわかっていないようなもの」 と改変している ■30話の新アニオリジナルストーリー「クラピカと師匠の出会い編」sageと改悪まとめ ◇あらすじ 1.ハンターに誇りを持っていて大事なライセンスなのにすられて気付かない鈍感さ 2.明らかな格上相手にいきなり敵意剥き出しで、露骨な挑発に乗って戦っちゃう 3.簡単に挑んだ挙げ句ボコされて見たところ策尽くした感も怪我もないのに挫折して 4.見ず知らずのスリ相手に屈辱的な姿勢で私情感情丸出しにぶつける ◇新クラピカさん ・巨大な念の塊の気配すら察知できないほどに凡人化 ・おまけに大事なライセンスカードまでスられて気付きもしない ・でも、念の込められたドングリには気付く ・唐突に「独りで戦い抜ける力がいる」と初対面のスリ野郎に叫ぶ 【本来内に秘めてる感じ⇒だからセンリツの心音で心境が読めるのが活きるし、ウヴォを殺す前の爆発とかに繋がる】 ・「私のハンターライセンスを返せ!!!」 ・「どういう意味だ!?ちゃんとハンター証は持ってると言っているだろう!!!」 ・↑大声で怒鳴るクラピカ。モンスタークレーマーに見える。いきなりキレて不自然。 【本来ああいう場ほどむやみにキレたりしない性格のはずがヒステリックやる夫状態】 ・クラピカは斡旋所をヒントに自力で念まで辿り付いてこそ 頭がキレるってキャラ付けがついてくるだろうにキャラの底が浅くなってしまった ・結果ただのクラピカ無能演出 ・ただのアホの子すぎる、馬鹿っぽい ・「ヒス女」など、マイナスイメージが定着 ◇新ミズケンさん(師匠) ・ルーキーを親切にストーキングと思いきや 念の気配すら感じられなかった素人相手に まともにくらったら即死するような念攻撃を仕掛ける ・念も知らない見習いに~試験はこれからだ!などといきなりネタばらし ・何故か突然ライセンスを盗むスリ野郎化 ・何故か突然念で攻撃して一方的におちょくる ・上から目線で威張ってる感じがしてすげえ嫌な感じ ・雑魚に見える ・試してみるかい?→尺無いしアクション苦手だから描きません ◇総括 ・脚本がひどい ・キャラの底が浅くなるようなオリジナルは要らないと思う ・会話の"ドッジボール"状態 ・キャラもストーリーも全体的に浅過ぎ ・スタッフは原作の何を読んだんだろうな
https://w.atwiki.jp/storyteller/pages/1952.html
探偵神宮寺三郎 白い影の少女 part69-288~291、294~303 288 ゲーム好き名無しさん 2016/06/21(火) 20 07 09.84 ID X0DBC6VL0 シリーズには入っていたもののWIKIに詳細がないので探偵神宮寺三郎 -白い影の少女-を書こうと思います 時間軸とかちょっと間違ってるかもしれないです 289 探偵神宮寺三郎 白い影の少女 2016/06/21(火) 20 07 52.82 ID X0DBC6VL0 東京・新宿に事務所を構える神宮寺三郎に、ある日、大学時代の友人の訃報が届く。 舞台はその友人・大河原哲司の葬儀に出席したところから始まる。 3月11日 告別式が滞りなく終わった直後、神宮寺は参加者の一人の女性を『見覚えがあるような』と感じる。 しかしそれが誰なのかは結局思い出せなかった。 その後、哲司の母親『静江』に呼び止められ応接間に通される。 その意図は読めなかったが、神宮寺と助手の洋子は『昔のことでも話をしたいのだろう』と考える。 応接間を出た静江を待つものの、部屋の外から声がしたため廊下に出ると、 そこには涙にくれる哲司の妻の礼子と哲司の父、哲三がおり、自己紹介がてら軽く会話を交わす。 応接間に戻ると静江も部屋に戻り、彼女から哲司の話を聞かされるが 神宮寺はそれを訝しく思う。まるで本題に入るのをためらうかのような話の振り方だったため、 彼は自分から『探偵の俺に依頼があるのでは?』と切り出す。助手の洋子もこのことには気づかなかったようだ。 驚いた静江は、それを認めようやく依頼の話を始める。 神宮寺への依頼は、『哲司の大学時代の恋人であった佐藤亜希に、哲司の遺品を渡して欲しい』というものだった。 礼子という妻がいるのに亜希に遺品を返す理由を直接静江から聞きはしなかったが、 神宮寺たちは『恐らく親である静江と哲三が別れさせ、礼子と無理矢理結婚させたのだろう』と推測した。 神宮寺はその依頼を受けることにし、とりあえず大学時代の亜希の住所を静江から聞く。 屋敷を出る前に哲司の妻礼子が現れ、連絡役として屋敷に務めるメイドの池内春菜を事務所に、と勧められ、 依頼者である静江がそれを了承したため、急遽春菜が事務所に来ることに。 とりあえず事務所に戻った神宮寺は、自分の事務所に大学時代のものがないかと考え 部屋を探し、佐藤亜希の写真を見つけ出す。 これで調査が出来る、と思ったところで事務所に突然、屋敷にいたときとはまるで雰囲気が違う池内春菜が現れる。 どうやらただの連絡役ではなく助手として調査に参加するつもりでいるようである。 正直迷惑である、と考える神宮寺に、さらなる来客が現れる。 来客は知り合いの熊野警部だった。 ベテランの刑事である彼とは今までにいくつもの事件で協力し合ったこともあり深い親交があった。 その熊野警部(熊さん)は神宮寺に曰くありげな話を始める。 それは近頃新宿界隈に現れる、という幽霊の『ゆうちゃん』の話だった。 夜中徘徊する白い服を着た少女の幽霊であり、それを見たものは不幸になる、死ぬ、または逆に幸せになるなど 様々な噂が流れているらしい。 熊野警部はどうやらこの幽霊の話を怖がっているようで、わざわざ神宮寺に調査を依頼しにきたようだ。 『時間があいたときに』と答えた神宮寺に真剣なまなざしで頼み込んだ熊野は事務所から帰っていったが 時間をおかずに再び事務所に血相を変えて走りこんでくる。 『…おったんじゃ!今ワシは見てしもうた!ど、ど、どうする!?ワシは死ぬのか!?』 半ばあきれている神宮寺とパートナー(春菜か洋子かを任意で選ぶ)は 熊野が幽霊を見たというガード下付近を捜すも見つけ出すことは出来なかった。 しかし、熊野が見たものが何だったのかを今決め付けることは不可能であろう、と神宮時は結論づける。 290 探偵神宮寺三郎 白い影の少女 2016/06/21(火) 20 08 42.72 ID X0DBC6VL0 3月12日 翌朝、神宮寺は早速パートナーを連れて、静江から聞いた亜希が大学時代に住んでいたアパートを当たってみる。 しかしドアの表札からして違う人間が住んでおり、すでに引っ越した後だということが分かった。 とりあえず近所のおばさんから聞き込み、このアパートからどこに引っ越したのかを聞き出すことに成功する。 しかし、そのアパートももはや引っ越したあとであり、こちらで聞き込んでもたいした話は聞けず 調査は早々に行き詰ってしまったのだった。 となれば、残る手がかりは一つしかない。大河原家で他に手がかりがないか探すしかないだろう。 神宮寺は応接間で静江に会い、調査が行き詰ったため、さらなる手がかりのために哲司の部屋を捜索させてほしいと頼む。 静江はそれを承知し、哲司の部屋からは大学時代のアルバムが見つかった。 その中の写真に、葬儀のときに見かけた女性を見つけた神宮寺は、彼女が亜希と仲が良かったことを思い出す。 名前は『木下智美』。彼女に会えば亜希の居場所が分かるかもしれない。 神宮寺は告別式の参加者の記帳簿から智美の住所を割り出すと(結婚して苗字が変わっていた) 早速電話をかける。どうやら三十分で事務所にこられるらしい。二人は事務所に直帰した。 事務所に戻った直後、約束どおり智美がやって来た。どうやらギリギリ間に合ったようだ。 智美は最初神宮寺のことを覚えておらず、事情を話してもまるで信用してくれなかったが 最終的には説得に応じ、亜希の勤め先が新宿駅西口近辺にある託児所であることを教えてくれたのだった。 早速託児所を尋ねてみるも、どうやら夜間のみの営業であるようで閉まっていた。 仕方がないので各所で時間を潰して夜に託児所を訪れると、佐藤亜希は確かにそこにいた。 身分を明かし、そして事情を話した神宮寺は静江から預かった哲司の遺品を渡そうとするが 亜希は『その資格は自分にはない』とそれを断ってしまう。神宮寺は『貴女以外に資格がある人物はいないだろう』と言うが 彼女の意思の固さを覆すことは出来ず、連絡先を教えて引き返すことにする。 半ば依頼を果たせている形となった亜希の件を後回しにし、夜の間に、新宿に現れる幽霊『ゆうちゃん』の調査をすることにする。 夜の新宿中央公園で、『新西小近くで出る、という噂を聞いた』という話を聞いた神宮寺は 『新西小=新宿西小学校』と判断し、学校へ向かう。 授業も終了し灯りもない学校の周辺を探ると、校庭に入れそうな場所を発見し入り込む。 パートナーと話をしつつ周囲を探していると、神宮寺の視界に人影が映りこんだ。走り出す神宮寺、そしてその『影』。 追いついた神宮寺は、それが幽霊ではなく少年であることを知り、この少年に話を聞こうとする。 相当に意固地なこの少年をなんとか説き伏せ『藤村貴之』という名前、そしてこの場所にいた理由が神宮寺と同じく 『ゆうちゃん』探しだったことを聞き出す。その最中、本物の『ゆうちゃん』が姿を現すものの、追う暇もなく姿を消してしまった。 驚愕している貴之を無理矢理家まで送り届け、この日の調査は終了した。 291 探偵神宮寺三郎 白い影の少女 2016/06/21(火) 20 09 20.76 ID X0DBC6VL0 3月13日 この日もまずは大河原家への報告で始まる。とりあえずは亜希を見つけ出すことには成功したものの 遺品を受け取ってはくれなかったことを説明する。同時にその理由に心当たりがないかを聞こうとするが 静江は知らない、と答えた。 (パートナーが洋子の場合、亜希が妊娠していた可能性を推理し、春菜の場合は彼女が静江と哲三の口論を聞いたことを話す) 託児所に行くと、まだ昼であるためやはり閉まっている。 帰ろうか、と思っていたところ託児所の関係者が現れたため話を聞くことにする。 事情と身分を明かしたもののまだ疑いがあったようで、自分が亜希の知人であることを証明しながら彼女に話を聞くことになる。 その最中、神宮寺はこの女性が『自分の質問に対して質問で返すことが多い』ことに気づき、それを問い返すと 『子供たちを相手にするときの癖だ』と笑った。どうやら亜希は子供に対して何らかの『償い』のつもりで託児所にいるらしい。 再び大河原家で心当たりを聞こうとするものの、静江はそれを話そうとしなかった。 神宮寺は今になって静江が亜希の行方を求めた理由を、哲司と亜希の間に生まれた子供と推察する。 哲司と妻礼子の間には子供がおらず、大河原家には跡取りがいなくなってしまったのだ。 託児所が開くまでの時間、再び『ゆうちゃん』の調査を開始する。 新宿界隈で話を聞くと、どうやら新宿西小学校、中央公園、西新宿8丁目あたりで頻繁に目撃されていると纏められる。 夜になり託児所を訪れると、血相を変えた亜希が『どうしよう・・・どこに行ったの!?』と慌てふためいていた。 どうやら託児所の子供が失踪してしまったようだ。彼女をなんとか落ち着かせ、いなくなった名前の服装や名前を聞き出すと 神宮寺たちは近辺の調査を開始する(この際に淀橋署で熊野に協力を求められる)。 成果が上がらず、幾分か落ち着いたであろう亜希に手がかりを求めるために託児所に戻る。 どうやらいなくなった子供、長瀬拓朗の母親は少々いい加減なところがありまたギャンブルが好きなようだった。 神宮寺は『チャンスマン』という店の名前からパチンコ店だと推理し、店の中で子供とその母親を発見する。 どうやら追加料金が発生する時間ギリギリに子供を引き取りに来て、誰にも言わずに引き取り そのままこのパチンコ店に来てしまったらしい。母親は急いで託児所に戻ると、亜希に難度も頭を下げて帰っていった。 拓朗が無事だったことに安堵するその様からも、亜希にはどうやら子供に対する特別な思い入れがあるらしい、と神宮寺は思った。 この日も遺品を渡すことは出来ず、諦めることにする。 夜の間に『ゆうちゃん』の調査をすることにし、神宮寺たちは中央公園で手がかりを探すことにする。 公園内で役所の福祉課職員である荒川と会話し、彼が『ゆうちゃん』を見たことがあることを知る。 どうやら荒川は『ゆうちゃん』を『幽霊』だと思い込んでいるようだが、 彼が見た『ゆうちゃん』は公園のホームレスたちと話をしていたらしい。 神宮寺は『ゆうちゃん』は幽霊ではなく生きた人間である、という可能性を指摘する。 以前『ゆうちゃん』を見かけたことのある新宿西小学校を訪れると、前にも見かけた貴之が 少年と少女を連れていた。どうやらまた『ゆうちゃん』を探そうとしているらしい。 少年は杉野知也、少女は宮内美鈴。どうやら貴之の同級生だろう。 頑なに神宮寺を信用しない彼らと話をしていると、再び『ゆうちゃん』が姿を現した。駆け出す少年たち。神宮寺もあとを追う。 神宮寺たちは先回りして挟み撃ちを狙うも、その先いたのは貴之たちだった。つまり『ゆうちゃん』は姿を消してしまったのだ。 愕然とする一同の中、貴之が『道で何かを拾った』と話し出す。しかし神宮寺には意地でも見せるつもりはないらしい。 諦めた神宮寺は『それをなくさないように』と忠告した後、『ゆうちゃん』がいなくなった付近の捜索を始める。 捜索の末、子供ならなんとか通り抜けられそうな抜け道を発見する。おそらく『ゆうちゃん』はここからどこかへ逃げたのだろう。 …そう考える神宮寺の背後に、再び『ゆうちゃん』が姿を現した。彼が追いかける暇もなく、『ゆうちゃん』は姿を再び消してしまった。 一旦消えた『ゆうちゃん』が何故現れたのか。神宮寺はそれが貴之が落としたものに関係しているのではないか、と考えた。 294 探偵神宮寺三郎 白い影の少女 2016/06/22(水) 04 02 30.61 ID jR1+lM1e0 3月14日 目覚めた神宮寺に電話がかかってくる。電話は亜希からだった。 どうやら大河原家に行きたいので神宮寺に付き添ってほしい、ということだった。 恐らくは元恋人であった哲司をお参りしたいのであろう。 時間通りに亜希は待っていた。大河原家に入る前、哲司との思い出話をしてくれる。 どうやら神宮寺のことも多少は思い出してくれたようだ。おそろいの懐中時計をもらったことも話してくれた。 共に大河原家の応接間に通され話を聞くと 大学時代に自分たちを別れさせたときどは違う静江の穏やかな態度に亜希は心底驚いたようだった。 神宮寺も漸くここで、本来の依頼であった『遺品』を亜希に渡すことが出来た。 しかし、静江も哲三も唐突に亜希の子供の話をし始める。 『あの時の子供はどうなったのですか、わたしたちには…大河原家にはあの子が必要なんです』。 言葉を返せない亜希に、神宮寺は話に割って入る。 『お言葉ですが、あなたたちは以前から何も変わっていない。大学時代に亜希と哲司を無理矢理引き離し、 そして今再び亜希と子供を引き離そうとしている』と。 いたたまれなくなった亜希は『子供はいません』と呟くと部屋から飛び出していった。 彼女の子供はどうなったのだろうか…亜希本人が話してくれない以上、今それを判断することはできないだろう。 そして今なら遺品が何なのかも分かる。恐らくは哲司が持っていたという懐中時計であろう。 屋敷の外で泣いていた亜希を、神宮寺は慰めようとするが、彼女は気丈にも『自分で帰れる』とその場を去った。 再び応接間。哲三・静江夫婦は神宮寺の言葉に心底反省させられたようだったが それでも亜希の子供を諦めきれていないようだった。 『亜希に遺品を渡すことで依頼は完了しました』と告げる神宮寺に、静江は『亜希さんの子供を捜してください』と改めて依頼する。 これ以上亜希を傷つけるような真似はしたくない、という想いもあったもののそれを受ける神宮寺。 依頼を受けたとはいえ、今の亜希に話を聞くのは酷だろう。そう考えた神宮寺は『ゆうちゃん』の調査に入ることにする。 対象は以前実際に『ゆうちゃん』を目撃した小学校だ。貴之が拾ったものが何かも気になるため、神宮寺たちは新西小を訪れる。 …と、ちょうど貴之たちと出くわした。神宮寺は貴之たちに協力を要請するものの、貴之はそれを拒む。 仕方なく、神宮寺たちは奔放に歩き回る貴之たちの後をついて回ることにする。 夕暮れどきに差し掛かったころに淀橋署で貴之たちを捉まえるものの、熊野に気をとられた瞬間に逃げられてしまう。 となれば、『ゆうちゃん』が現れた場所でこの場所から近く、貴之たちが以前に訪れていた場所だろう、と推測した神宮寺たちは 中央公園に足を運ぶことになる。 新宿中央公園では、思ったとおり貴之たちが夜の中で『ゆうちゃん』を探していた。 しかし知也はどこか不安な表情を見せる。その原因はどうやら幽霊ではなく、この公園に寝泊りするホームレスたちのようだ。 そんな中、そのホームレスの一人である男が話に割って入ってくる。 『子供がこんな時間にうろついてるんじゃねぇ、早く帰った帰った』 その男を貴之は口汚く罵る。ホームレスは悪態をつきながら去っていった。 ホームレスに対しての悪口雑言をやめようとしない貴之を、洋子(春菜)が説教する。 『子供であることをいいことに都合の悪いことは全て大人のせいにし、自分は何をやってもいいことにする その姿勢は貴之が嫌う卑怯な大人そのものではないか(説教の内容はパートナーによって異なる)』と。 説教が効いたのか、貴之たちは知也、美鈴を連れて中央公園を去っていった。 亜希は落ち着いただろうか。ちょうど夜になったので託児所を訪れると、彼女は仕事を休んでいた。 どうやら昼間のことが相当堪えたのであろう。神宮寺は亜希の身を案じる。託児所の林から『明日は朝から出勤する』と聞いたため 朝改めて訪れることにする。 295 探偵神宮寺三郎 白い影の少女 2016/06/22(水) 04 06 22.37 ID jR1+lM1e0 3月15日 予定通りに託児所を訪れると、亜希はすでに出勤していた。 彼女を慮った神宮寺が声をかけると、亜希は笑顔を見せたものの、泣きはらした跡を化粧で隠しているのが分かった。 そんな中、思わぬ声が亜希にかけられた。 『亜希先生!』 …藤村貴之だった。どうやら彼はこの託児所に預けられていたことがあるようで、亜希には頭が上がらないようだった。 『この時間になんでこんなところにいるの?学校はどうしたの?』 心配する亜希に、貴之は『学校は今日は休みなんだよ』と苦し紛れの嘘をつく。神宮寺はため息をつきながらそれを助けてやった。 貴之は、どうやら例の『幽霊の落し物』を亜希に見せて、これが何なのか聞くつもりだったらしい。 亜希に諭され、貴之は『それ』を神宮寺にもしぶしぶながら見せてくれた。 神宮寺も、そして亜希も驚愕して声も出せなくなった。いや、恐らくは神宮寺とは比べ物にならないほど亜希は驚いたに違いないだろう。 貴之が見せてくれたのは、懐中時計だった。…そう、哲司と亜希、おそろいで持っていたものの片割れ。 つい先日神宮寺が亜希に渡したものと同じものだった。 『神宮寺さんと話がある』。亜希に諭され、貴之はその場を去った。自分には踏み込めない話だということを子供心に理解したのだろう。 亜希は、6年前の過去のことを話し始めた。 6年前、亜希は妊娠していた。それを知った哲三と静江は『身分が違う』と結婚を猛反対し、強制的に二人を別れさせた。 静江はその際に『中絶するための費用だ』と封筒に現金を入れて亜希に渡すまでしたらしい。 とはいえ心から愛する哲司の子供を亜希は諦めきれずに出産することになる。 しかし、『この子供を支えながら自分ひとりで生きていけるだろうか』と不安を拭い去れなかった亜希は 新宿駅のロッカーに子供を捨てて立ち去ってしまったのだった。…あの懐中時計とともに。 亜希はすぐに思い直してロッカーまで引き返したものの、そのときにはすでに子供の姿はなかった。 『これは天罰だ。あの子を大事にしなかった天罰に違いない。自分は一生その罪を償って生きていくんだ』 亜希はそう思って今まで生きてきたのだという。 …ここまで話を聞けばもう間違いないだろう。あの懐中時計を持っていた『ゆうちゃん』こそが亜希と哲司の娘なのだ。 『お願いします、私の子供を見つけてください』。そう懇願する亜希に、神宮寺は『任せろ』と言葉を返した。 296 探偵神宮寺三郎 白い影の少女 2016/06/22(水) 04 12 02.95 ID jR1+lM1e0 (3月15日続き) 大河原家への定例報告に向かう神宮寺。『子供を捜して』という依頼を静江からも受けていたものの 今ここで亜希から聞いた話を全て話すわけにはいかない。神宮寺は『進展がない』という嘘の報告をすることになる。 一旦事務所に戻り、これまでのことを整理することにする。 ひとまずは『ゆうちゃん』のことを調べなければならない。亜希は6年前に生まれたばかりの子供を『ロッカーに捨てた』と言っていた。 それならば、当時それが警察に通報されていたかもしれない。神宮寺はそう考え、その調査を熊野に依頼することにする。 電話をかけると、どうやら熊野のほうも神宮寺に話があるようで、夜に事務所を訪ねる、と言った。 夜になると予定通り熊野が事務所を訪ねてきた。 ことがことだけに事情は話せないが、 6年前に新宿駅のロッカーから赤子が発見された、という通報がなかったか調査してほしいと熊野に依頼した。 熊野のほうの話は、『近頃中央公園のホームレスたちが何かにおびえているような様を見せている』という噂のことだった。 調査のこともあって中央公園は何回も訪れたが、神宮寺には覚えのない話だ。しかし神宮寺はその調査も合わせて行うことにする。 熊野が帰ったあと、神宮寺たちは『ゆうちゃん』と『噂』のことを調べるべく中央公園を訪れることにする。 ホームレスたちからは『怪しい男がホームレスを狙っている』という話を聞くことが出来た。恐らく浮き足立っているのはそのせいだろう。 どちらのことも手がかりがないまま公園内を歩いていると、草むらからうめき声のような声が聞こえた。 駆けつけると、そこには苦しがる女性の姿があった。これまでの調査中にこの公園で何度か話を聞いたホームレスのおばさんだった。 心配した神宮寺たちが救急車を呼ぼうとすると、女性はそれを制止して空元気を見せる。 女性の様子を見るのもかねて、神宮寺は『この近辺で目撃されている怪しい男』の話を聞いてみる。 女性自身は男を目撃したことはなかったようだが、仲間のホームレスが襲われたことがあるらしい。 どうやら男は一人で公園内を歩き、ホームレスを脅して歩いているようだ。何かを探しているのだろうか。 そこまで聞くと女性は『まさかあんたじゃないだろうね』と勘繰ってきたが、神宮寺は『ここ最近は二人で調査している』と難を逃れた。 (3月15日よる時点で貴之たちが『ゆうちゃん』に出会う話が挿入される。 話の展開(出会い方)はこの時点でのパートナー(洋子か春菜か)によって異なるものの 今後の話には影響しない) 297 探偵神宮寺三郎 白い影の少女 2016/06/22(水) 04 19 22.17 ID jR1+lM1e0 3月16日 次の日、早速熊野が電話で先日の件を報告してくれた。 どうやら6年前にロッカーから赤子が発見された、という報告はなかったようだ。『もっと詳しく調べるか?』と聞かれたものの 神宮寺は『場所も日時もはっきりしている』とそれを断るが、ふと思いついて『ロッカー荒らし』がいなかったかどうか調べてくれ、と話す。 ロッカー荒らしとは、駅などのコインロッカーをピッキングなどでこじ開け、預けられた荷物を頂くという犯罪のことだった。 ひょっとしたらロッカー荒らしが『仕事』をした際に赤子を見つけて連れ去ったのかもしれない、と神宮寺は考えたのである。 熊野からはすぐに『中西という男が6年ほど前にロッカー荒らしをやっていた』ということを調べ、 当時は中央公園でホームレスだったことも教えてくれた。どうやら逮捕されて服役したようだ。 この中西のことを調べるべく、神宮寺はホームレスのリーダー格である『前田』に話を聞くことにし、新宿駅西口を訪れる。 前田は中西のことを知っていた。長い髪に赤い帽子。それが中西の特徴だという。神宮寺には見覚えがあるように思えた。 どうやらすでに刑期を終えて出所し、中央公園で再びホームレス生活に戻ったようだ。 中央公園で、中西はすぐに見つかった。長い髪に赤い帽子。それは以前、貴之に暴言を吐かれたホームレスだった。 中西に過去のことを尋ねようとするも、彼からの返答はなかった。神宮寺は彼に話を聞くのを今は諦めることにする。 神宮寺を心配して前田が駆けつけてくれた。彼が言うには『自分の過去の犯罪のことを嬉々として話す者はいません』とのこと。 彼からの直接の情報はなかったが、中西のことをよく知る『安田徳子』という女性のことを教えてくれた。 怪しい男が現れるという夜にはまだ時間があるため、神宮寺は熊野に一連の『ゆうちゃん』について報告することにする。 『ゆうちゃん』は生きた人間であること、自分の知り合いの女性(亜希)が捨てた娘であること…。 そして『怪しい男』について今分かっていることも話しておくことにする。どうやら何かを探してホームレスを脅しつけているらしい。 大河原家では再び虚偽報告をすることになるが、静江は何かを訝しく思っているようだった。 廊下では哲三に遭遇するが、何か慌てている様子で出かけていった。先日もそんな光景があった覚えがある。 ここのところ哲三の行動が怪しく思えたが、今はそれをどうしようというものでもなかった。 屋敷の前で大河原礼子と会い、言葉を交わす。途中礼子に電話がかかってきて、話はそこで中断された。 足早に去っていった彼女が誰かの名刺を落としていった。『北条隼人』と書かれている。 西新宿8丁目で貴之と知也に出くわした。今日は美鈴がいないらしい。 いつも協力的ではない彼らだが、今日はいつもよりさらに神宮寺を警戒しているように思える。 貴之がしきりに知也の口止めをしており、話を聞き出せそうもなかった。どうやら何か隠し事をしているようだ。 アルタ前では今度は美鈴に出会った。彼女もまた先ほどの二人と同じように共通の秘密を持っているらしい。 『色々とすることがある』というようなことを言いつつ去っていった。 298 探偵神宮寺三郎 白い影の少女 2016/06/22(水) 04 26 15.23 ID jR1+lM1e0 (3月16日続き) 前田に聞いた『安田徳子』という女性に話を聞くため、神宮寺たちは中央公園を訪れる。 公園を一周したあとなんとか安田徳子(通称とくちゃん)を見つけ出すが、彼女は先日苦しんでいたところを助けた女性だった。 神宮寺は徳子と話をするうち、彼女が『質問に対して質問で返す』ことが多いことに気づく。それを指摘された徳子は 『癖だ』と笑うものの、神宮寺は以前話したことがある女性が同じことを言っていたのを思い出した。託児所の林だ。 つまり、癖とは『子供』に関わることであろう。しかし徳子は子供については話をしてくれそうになかった。 仕方なく、引き続いて『怪しい男』の調査に入ることにする。 公園内を歩いてホームレスたちに話を聞くうち、怪しい男の存在は確かなものになっていく。 どうやら怪我をさせられたものもいるらしく、その怪我をしたホームレスからも話を聞くことができた。 しかし神宮寺が知っている以上の情報を聞き出せそうもなかった。 さらに公園内を歩くと、以前にも話をしたことがある福祉課の荒川に声をかけられた。 どうやら彼も『怪しい男』の報告を聞いているようで、その調査に乗り出しているらしい。 ところが、彼の話によると『怪しい男』は『二人目撃されている』というのである。 一人はサングラスをかけた屈強な男、もう一人は恰幅のいい熟年の男性、というのだ。 ここまできて意外な情報を得た神宮寺は、荒川に別れを告げてさらなる調査に入ることにする。 改めて徳子に話を聞きたい神宮寺たちは、公園入り口で中西に出会った。 彼女と親しいらしい中西なら徳子の居場所を知っているかもしれない、と思った神宮寺は 『借りたライターを返したい』と苦し紛れの嘘をついて情報を求めた。 どうやら西新宿8丁目に彼女は住んでいるらしい。家があるわけではなく、空き家に住み着いているようだ。 徳子の家を8丁目で探してみるものの、さすがにどの家なのか探し当てることは出来ず、 彼女がいそうな場所は、ということで再び中央公園に舞い戻ることになる。 今度こそ徳子に出会うことが出来た。しかし、『ゆうちゃん』のことはすぐに話してくれそうもない。 そういえば、怪しい男は二人とも『子供』のことをホームレスに尋ねていた。それを交えて話せば協力してくれるかもしれない。 神宮寺は話を切り出す。 徳子の話から、やはり怪しい男は二人いることは確からしい。というのも、怪しい男を見かけたホームレスが 二人とも違うことを言って揉めていたからだった。二人の言い分は 『サングラスの男だ』『いや太った老人だ』というのである。 しかし、そのとき突然徳子が胸を抑えて苦しみだした。以前見た光景だったが、今回は一、二を争うような状況だった。 『誰か救急車を呼んでくれ!』 神宮寺が叫ぶも、周りのホームレスたちは何もせず見守るばかりだった。そこに前田が駆けつける。 『どうして誰も彼女を助けないんだ』 神宮寺の問いに前田は 『我々ホームレスは収入もなく健康保険にも入っていない。高額な治療費を払うことが出来ない。 こういう状況になっても治療を受けることも出来ない』と話す。 神宮寺は徳子の身柄を請負うことにして病院へ運ぶことにした。礼を述べつつそれを手伝うホームレス達。 299 探偵神宮寺三郎 白い影の少女 2016/06/22(水) 04 33 27.14 ID jR1+lM1e0 3月17日 病室のベッドで、徳子は目覚めた。一命は取り留めたのである。 『特別扱いされるのはイヤだ。自分が助けられるのならば他の仲間たちも助けてやっとくれ!』 そう行って病室から無理矢理出ようとする徳子を、神宮寺は『貴女は結核だ、出て行けばホームレスたちに伝染するかもしれない』と話し、 なんとか落ち着かせる。 徳子は6年前、中西の仕事(ロッカー荒らし)を手伝ったことがあった。その際にロッカーに捨てられた赤子を発見し、連れ帰った。 自身が紆余曲折の末にホームレスとなった過去を持つ徳子は、『これは自分に与えられた子供なのだ』と思い、育てることにしたのである。 名前は『悠』。奇しくも本当に『ゆうちゃん』だったのである。 徳子に子供の居場所を聞くと、やはり西新宿8丁目にいるらしいが、詳しい住所を聞きそびれてしまうのだった。 一方、貴之たちは先日会った『ゆうちゃん』を連れて街を歩いていたが、『ゆうちゃん』=悠に元気がない。 どうやら『とくちゃん(=安田徳子)が帰ってこなかったことを心配しているようだ。 貴之らは元気付けるために『じゃあとくちゃんを探しに行こう』と提案するのだった。 中央公園を訪れると、悠の知り合いであったホームレスが声をかけてくる。そのホームレスは以前貴之が暴言を吐いた男(つまり中西)だった。 貴之は自分の非を認め素直に謝罪する。 しかし、和やかに話をする間もなく、中西が『ゆうをつれて逃げろ』と貴之を促した。わけもわからぬまま走り出す貴之らを見送る中西。 その視線の先には一人の男の姿があった。 『…やっと見つけたぜ…!』 神宮寺たちが悠の行方を求めて中央公園を訪れると、中西が一人の男に食って掛かっていた。 『やっと見つけたぜ!仲間を傷つけた落とし前、ここでつけてもらうぜ!』 そう言い放つ中西の拳が向く先は、太った老人…なんと大河原哲三だった。 『犯人はこの人じゃない、他にいる』という神宮寺の仲裁を受け入れ、中西はしぶしぶ拳を収めた。 しかし哲三は神宮寺の質問に答えず無言のままだった。 神宮寺は仕方なく『貴方がホームレスを脅していたんですね』と鎌をかけることにし、哲三はそれを聞いて慌てて真実を話し始めた。 なんと、哲三はすでに『ゆうちゃん』に出会っていた。というのは、亜希が哲司のお参りに来た夜 彼女に謝罪するために託児所を訪れたものの休んでいたため出会うことが出来なかった。 その帰りに中央公園に寄った際、6歳くらいの子供とぶつかったのを機会に話をしたというのである。 6歳の子供に、哲三は哲司の面影をはっきりと見出し、驚きを隠せなかった。それ以来子供のことが忘れられず、 ヒマを見つけては屋敷を出て中央公園を探していたというのだ。ホームレスたちはそれを目撃していたのだろう。 本人が『ゆうちゃん』に出会っている以上、それを隠すことは出来ないだろう。神宮寺は、その少女が 『哲司と亜希の子供である』とその場で話した。『ゆうちゃん』を探すための協力を申し出る哲三。 悠は徳子の家にいるはずなのだが、それを知るものは、と考えた神宮寺は近くにまだいた中西を呼び、 徳子の家を訪ねる。しかし彼は本当に場所までは知らないようだった。 と、そこで中西は『さっき、悠を連れた貴之たちに出会った』と話す。 中西が怪しい男だと思っていた哲三が現れたため逃がしてしまったのだそうだ。 となれば、貴之たちも恐らくは徳子の家にいるのだろう。 しかし肝心の徳子の家が分からないため、結局はこの周辺を探すことになる。 中西も『仲間に聞いてみる』と協力を申し出た。 300 探偵神宮寺三郎 白い影の少女 2016/06/22(水) 04 39 38.87 ID jR1+lM1e0 (3月17日続き) 貴之たちは中西に逃がされた後、とある廃ビルに勝手に作った『アジト』に悠を招いていた。 しかしそんな中、サングラスの男が現れ四人に詰め寄る。貴之が機転を利かせ、四人は夜の街へと走り出した。 貴之たちを探すために西新宿周辺を捜索していた神宮寺たちだが成果はなく、中央公園に戻ることになる。 そこに現れた中西が、仲間から聞きだした徳子の家の場所を教えてくれた。さっそく駆けつける神宮寺。 西新宿8丁目の廃墟の中に徳子が住んでいる空き家があった。生活の痕跡(と子供がいる痕跡)は見つけたものの 悠や貴之らの姿はなかった。哲三が見つけていることに一縷の望みを託して、中央公園に戻ることに。 貴之は逃げているうちに地下道に紛れ込んだ上、三人とはぐれてしまっていた。 『どうにか逃げ切れるルートはないか』。そう考えた貴之は周囲を捜索する。途中武器になりそうな鉄パイプを入手し、 どうにか美鈴や知也、悠と合流することに成功する。 貴之は美鈴に『これでアイツをガツンとやれ』と鉄パイプを手渡した。また、アジトに戻るように話す。 そこへ先ほどのサングラスの男がやってくるが、貴之と美鈴の策に引っかかり頭を鉄パイプで殴打され、 まんまと逃げ出すことに成功するのだった。 中央公園に戻った神宮寺を迎えたのは、ちょうどそこにやってきた哲三だった。しかし手がかりは何もないという。 打つ手がなくなった一堂の前に、意外な人物が現れた。 それは、傷だらけになった貴之だった。悠たちを逃がすために知也とともに男を引きつけていたが 最終的に自分がオトリになって智也を逃がしたようだった。 『…神宮寺…さん…助けてください…悠が…殺される…』 痛々しい姿の貴之は、嫌っているはずの神宮寺にそう言った。 『畜生…俺はガキだから…何も出来ないのか…』 そんな貴之に、神宮寺は『自分の弱さを認めることは大人にもなかなか出来ない立派なことだ』と賞賛の声をかけた。 留守番をしているほうのパートナーを電話で呼び出し、神宮寺はアジトを目指す。 (ここで選ぶパートナーによって少し展開が異なる。最終的な展開は変わらない) 逃げ込んだアジトのなかで、美鈴はゆうに『母親』という存在がどんなものかを(あくまでも美鈴の目線で)語る。 母親を知らないゆうは『おかあさんってどんなひと?』と美鈴に問う。 そこへ知也が合流してくる。『貴之が逃がしてくれた』と話すが、そこへまたサングラスの男が現れ、危機的状態に陥る。 アジトとなっている廃ビルを訪れた神宮寺は、ガラスや壁財などが散在する中を捜索する。 一階には何も見つからず、二階の捜索をするうちに、割れた知也の眼鏡を発見した。どうやらこの近くにいるらしい。 そこへ誰かの悲鳴が響いた。 駆けつけた神宮寺の目の前に、悠、知也、美鈴の三人に襲いかかろうとしているサングラスの男の姿があった。 腕っ節には自身がありそうな男を、神宮寺もボクシングで鍛えた体に鞭打って撃退することに成功する。 気絶した男の持ち物を探ると、携帯電話と名刺が見つかった。名刺には『北条隼人』と記してあった。 その名前は以前にも眼にしたことはある。そう、ある人物が落とした名刺と同じものだ…。 301 探偵神宮寺三郎 白い影の少女 2016/06/22(水) 05 49 07.74 ID jR1+lM1e0 (3月17日の続き) 不安がる悠を、神宮寺は『とくちゃんの所に行こう』と元気付ける。徳子を心底心配していた悠はようやく笑顔を見せた。 そこへ大河原家(礼子・静江・哲三)の面々と、連れて行かなかったほうのパートナーと貴之が現れる。 神宮寺は事件の最後の解決を迎えるため、視線を一人の女性に向ける。…あの男を使い悠を狙っていた真犯人。 …大河原礼子。 自身が持つこれまでの事件の手がかりや北条隼人の持ち物などの証拠をつきつけ、神宮寺はたくみに礼子を告発しようとする。 サングラスの男(北条隼人)と礼子との関係を実証することに成功したものの礼子は全てを話さないまま警察に逮捕されようとする。 神宮寺は、自分の力だけでは全てを解決できない…そう考える。礼子の心を開くことが出来るのは…一人しかない。 『…君の力を貸してくれ』 『何をすればいいのぉ?』 『ただ、そこにいてくれればいい』 『それなら、できるのぉ』 不安げに神宮時の傍らに立った悠の姿に、亡き哲司。自分が愛した哲司の面影を強く感じた礼子は、その場で泣き崩れていた。 大河原哲司はもともと体が弱かった。亜希と別れさせられ、礼子と結婚した後もそれは変わらなかった。 子供は出来なかったものの、礼子は哲司を心底愛していた。哲司が病の末に倒れたときも、愛してやまない夫を必死に看病した。 それでも哲司の容態は良くはならなかった。そしてついに最後の時を迎えることになる。 しかし、哲司が残した最後の言葉は、『…亜希…』という、礼子にとっては無残な言葉であった。 哲司は最後まで、死に際まで亜希を愛していた。亜希だけを愛していた。自分のことを見ていなかった。 その思いは亜希に対する嫉妬へと変わっていく。そして、あるとき静江が神宮寺に依頼しているのを聞いてしまった。 静江は、哲司と亜希の間に生まれた子供を跡継ぎにしようとしていた。 ある日に春菜がした与太話(恐らくは『ゆうちゃんは亜希さんの子供なんです!』とか話した)に一抹の真実味を見た礼子は 北条隼人を使って『ゆうちゃん』のことを調べ上げた。そしてその身柄を求めたのである。 『…貴女は、彼女(悠)を捉えたあとどうするつもりだったんだ?』 神宮寺の問いに、礼子は 『…私にも分からない。ただ…哲司さんの子供に会いたかっただけかもしれない』と話す。 『そんな勝手な理由で悠をこんな目にあわせたのか!俺はお前みたいな身勝手な大人は大嫌いだ!』 そんな礼子に、貴之が叫んだ。 神宮寺たちは、悠を連れて徳子が入院している病院を訪れた。そこには連絡を受けた亜希もやってきていた。 病床の徳子を悠が心配する中、言葉をかけあぐねている亜希に、徳子が声をかける。 『…あんたに文句の一つも言ってやろうと思ってたけど、あんたも相当苦労してきたんだね…』 戸惑う亜希を尻目にして、徳子は今度は悠に声をかける。 『さあ、あの人のもとへお行き。あの人は、悠のお母さん。一緒にいなくちゃいけない人なんだよ』 『イヤだよ、ゆうはとくちゃんと一緒にいるのぉ』 『あの人は、悠を大事にしてくれる。今は分からなくても、きっとあの人といて幸せだった、と思える時が来る。 このとくちゃんの言うことだから間違いないよ。だからお行き』 直後、徳子の容態が悪化する。泣き叫ぶ悠とあわただしくなる周囲。神宮寺たちは病室を追い出された。 302 探偵神宮寺三郎 白い影の少女 2016/06/22(水) 05 54 19.48 ID jR1+lM1e0 4月7日 新宿西小学校に桜の花びらが舞っていた。 校門の前には、悠と亜希…本当の『親子』が笑顔で話している。 悠は新西小に入学することになった。 神宮寺は無事に本当の親子を取り戻した二人から、隣にいる女性に視線を移す。 『父兄席で見たほうがよかったんじゃないのか?』 その女性は神宮寺にこう返答する。 『あたしなんかがいちゃいけない場所だからねぇ、こうして遠くで見ているだけで十分だよ』 …安田徳子だ。 悠たちの前に、見慣れた三人が現れる。進級して六年生になった貴之、美鈴、知也だった。 『悠の先輩』になった貴之たちは、存分に先輩風を吹かせ始めた。ある意味いつもどおりの光景だった。 徳子に気づいた悠たちが歩み寄ってきた。親子は失われた時間を取り戻すかのように幸せに生きていくだろう。 神宮寺は、自分の手に残ったもの…亜希から託された懐中時計を見ながら、亡き親友の顔を思い浮かべていた…。 (スタッフロールへ) ※悠・亜希が正式に親子になった、という描写はあるものの大河原家がどうなった、という説明はない しかしスタッフロール時の一枚絵の中に哲三に抱き上げられる悠を笑顔で見ている静江の絵があるので 少なくとも険悪な関係にはならなかったと思われる 303 ゲーム好き名無しさん 2016/06/22(水) 05 57 19.44 ID jR1+lM1e0 探偵神宮寺三郎 白い影の少女は以上が大まかなストーリーとなります
https://w.atwiki.jp/toyama-steiner/pages/165.html
2月2日(土) オイリュトミー講座 呉羽芸術創造センター 大練習室 3番 講師:穴田眞さん 14:00~14 30 親子クラス 参加費:1人目1000円 2人目500円(3歳以上) 例:親子二人1500円。 15:00~16 30 大人クラス 参加費:1人 2500円 託児有り(実費)要申込み 途中の空き時間には、大人はライアーを奏でたり、歌をうたったりして過ごしたい,と思っていますが、おしゃべりに花が咲き、 こどもたちはまだまだ駆け回って遊んでいます。 前回、大人クラスは12月らしく、エボエをやりました。 荘厳なピアノの伴奏に合わせて動くエボエは絶品。神聖さに触れる瞬間でした。 2月はまた雰囲気の違う内容になると思います。 初めての方の参加も歓迎しています。 またみなさんで集えるひとときを楽しみにしています。
https://w.atwiki.jp/novelcollaboration/pages/54.html
「あ、あったあった。 私の大事な帽子♪――なんでこんなとこに」 そう言いながらリムは見つけた帽子を嬉しそうにかぶりなおす。 帽子を探して周囲を歩き回ったので自分が今どこにいるかわからない。 場所を調べようとDパッドに視線を送れば、現在地としてb-4とb-5の境目辺りに点滅があった。 「ふーん、結構移動したのかも。 ――あれ?」 近くで人の声が聞こえてきた。男性と女性の声で、少なくとも一人ずつは確認できた。 人の声に安心したのか、リムの表情は少し安堵したようにも見える。 それもそうだろう。何せ女の子が一人で墓地にいたのだから 人を確認できて安心したのと同時にリムの心に少し余裕が生まれたらしい。 喜んだ時や嬉しい時などに見せる笑顔とは違い、何かを企んでいる様な笑顔を浮かべていたからだ。 「ここは墓地か。 んで、近くに人がいるわけね。――良いこと思いついたよ」 そう言ってリムは何やら楽しそうに色々準備を始めた。 「良いこと」とは言っているが、リムにとっての「良いこと」であって万人にとって「良いこと」かはわからないが。 ――さて、場所は変わってその近くのb-5エリア。 ここにはヴァン・アーネストと桃源郷の二人がおり、何やら会話しているらしい。 「――という訳で、オレ達は今こうしてこの世界にいるってわけだ」 「えぇ! そうなんですかー?」 どうやら状況説明らしき事を行っていたらしい。 突然の事態。状況が把握できない者がいたって何ら不思議ではない。 皆何かしらこの状況に対して疑問は抱いているだろうし、少なからず警戒は有るはずだ。 ヴァンが郷に状況説明をしている時だった。 すぐ近くから何やらガサガサと音が聞こえる。 次の瞬間、目の前に何かが飛び出してきた。 「…」「…」 「……アレ? もーリアクション薄いよー!私が滑ったみたいじゃん!」 眼前に現れたのは、キョンシーの様な恰好をしたリムだった。 リムは自分のいる場所が墓地ということを利用して少し脅かしてやろうと思ったらしい。 しかし、いきなりすぎて空振りに終わったようで、リムはどこか不満そうに額に張ったエントリーカードを剥がした。 ――リム以外の二人は何が起きたか分からないのか反応が薄い。 いや、リムの行為に呆れているだけかもしれない。 「君は何者だ?」 「私はリムだよ。漢字で書いたら莉夢だね。 別に怪しいものではなくて、こういう性格なだけ」 いきなりキョンシーの真似をして現れたら何者かと聞きたくもなる。 リムもそれを想定していたかの様に怪しくないと釘を刺す。リムは元々こういった人間だ。 喋り好きに加え、とても積極的で活発だが空回りしやすい。 「そうか。 オレはヴァン・アーネストで、こっちが――」 「桃源 郷…です…」 互いに自己紹介を済ませていく。 生きる世界は違えど同じゲームに連れてこられた者は仲間であり敵でもある。 どちらにせよ名前くらいは知っておいた方が良いだろう。 「ヴァンさんと郷ちゃんか。 オッケーオッケー、覚えたよ。 でね、いきなり頼みがあるんだけど――」 大げさにアクションをつけながら言葉を発していく。これもリムの特徴の一つであろうか。 元々喋るのが大好きなので、喋っているとアクションがついていることがあるのだ。 しかし、いきなり何かを頼むあたり遠慮は知らないのかもしれない。 「頼みごと…?」 「ここに来たのは良いんだけど、私、この遊戯王…だっけ?のルール知らないから、教えてほしいなーって」 二人は唖然とした。 ここはOCGを使って行う場所なのに、まさかそれを知らない者がいるとは思わなかったのだろう。 「ふむ…。 ルールの説明くらいは任せてくれ。 …その代わり、交換条件としてオレ達と組んでもらいたい」 「それくらいなら喜んで。 戦力にはならないけど、ムードメーカーなら任せてよ」 リムは喋るのは好きだし、何よりこんな性格だ。ときに空回りはあるが盛り上げるのは得意。 ただし、OCGの知識は皆無なので戦力としては計算できないと本人も分かっている。 だったら自分は得意なことで力になればいい。 今だって、見ず知らずの二人の前にキョンシーの真似をして現れた。誰とでも積極的に交友出来るのは大きな武器だろう。 「さ、という訳でルールを学んで、これからの事を考えよう!」 「なんで君が仕切るんだ!?」 ―リム― 【場所】b-5 AM1時 【デッキ】サイバー流@西院柚木 【状態】テンションあがってきた↑ 【思考・状況】 1. 暫くはこの人たちについていこう 2. ムードメーカーは任せて 3. ルールを学ぼう 【備考】 とりあえず二人を疑ったりはしていないようです。 出来る限りデュエルは避けて、二人に任せたいとも考えています。 ※ややキャラが定まっていないように見えますが、それがリムです 恐らく相手が信凪であっても同じノリで話しかけます ―桃源郷― 【場所時間】b-5 【状態】リムのテンションについていけず 【デッキ】宝玉獣(遊戯王-Night School菜崎 梨江) 【状況・思考】 1.状況を把握した 2.引き続き弥琴、紅規、デッキの捜索 3.リムにルール説明 【備考】 リムのテンションの高さにやや動揺していますが、悪い人とは思っていないようです。 ―ヴァン・アーネスト― 【場所時間】b-5 【状態】リムによりやや披露 【デッキ】真紅眼(GSブレイド) 【状況・思考】 1.まだ仲間が必要か? 2.ルールを教えなくては 3.レッド・アイズの主人(ブレイド)捜索 【備考】 郷と同じくリムのテンションにややついていけていませんが、悪い人とは思っていない様子。 仲間が二人とも女の子な上、一人はど素人なのでもう少し仲間がほしいと思っているかもしれません。
https://w.atwiki.jp/kosodatenabi/pages/159.html
清水町 ぱぱままにゅーす 親子で一緒に遊べる交流ひろば、有料でお子さんをお預かりする一時保育室、子育ての悩みを相談できる相談室があります。 施設名称 清水町子育て総合支援センター ひまわり 住所 〒411-0902駿東郡清水町玉川24-1サントムーン柿田川2階 TEL (055)-(972)-(2712) FAX (055)-(972)-(2712) 休業日 毎週水曜日、その他(年末年始12月29日~1月3日) オープン時間 「交流ひろば」 午前の部 10 00-12 00午後の部 13 00-18 00「一時保育」10 00-18 00 対象年齢 「交流ひろば」0歳~小学6年「一時保育」6カ月~就学前 利用料金 交流ひろばは無料、一時託児は1時間600円(1日1回3時間まで要予約) アクセス方法 三島駅より沼津登山東海バス 沼商行きまたは沼津駅行き柿田経由 サントムーン柿田川バス停 駐車場 あり 無料/1BOX車可 駐輪場 あり ベビーカー置き場 あり おむつ替えのスペース あり 授乳スペース あり 子供用便器 あり ベビーベッド あり 館内での飲食 不可 ミルク用のお湯提供 あり 自販機などの飲料販売 なし ☆おすすめの遊具や設備 職員が牛乳パックをリサイクルして作った“ひまわりのおうち”が人気です。また、大きい子でも夢中になれるソフトブロックもあります。支援センターに遊びに来る時には、名札をつけてきてね。 ☆定期開催しているイベント/相談 ボランティアの方による、音に合わせて体を動かすミュージックランド、絵本の読み聞かせ、専門の先生による育児相談などを定期的に行っています。 長泉町 子育て支援センター 幼稚園・保育園に入園する前の乳幼児とその保護者の方が、自由に遊んだり、交流することができます。四季折々の行事や育児相談を行っています。また、子育てに関する情報を提供します。お気軽に遊びにいらしてください。 子育て支援センター『みかんちゃん』 住 所 竹原317-1 竹原保育園内 2階 電 話 973-4141 開館時間 9:00~16:00 利用日 月~金曜日 子育て支援センター『アップル』 住 所 中土狩929-1 中央保育園内 2階 電 話 987-3715 開館時間 9:00~16:00 利用日 月~金曜日 子育て支援センター『ちぇりーぶらっさむ』 住 所 納米里219 聖心保育園内 2階 電 話 989-1421 電話相談 月~金曜日 9:00~16:00 利用方法 登録制 子育て応援グループ「つくしの会」をご利用ください 「つくしの会」は、”長泉町で子育てしやすい雰囲気づくり”を目的に、町や学校などが主催する行事のときに、託児サービスを行っているボランティアグループです。 ぜひ、ご利用ください。 ※利用についての詳細は、直接お問い合わせください。 問い合わせ:児童館 (8:15~17:00) TEL:055-988-3921 小山町
https://w.atwiki.jp/combo-br/pages/30.html
Carnival 魔法使いは笑っている。 自分が演出した舞台が、思惑通りに進行していくことに。 枷をはめられた哀れな生け贄たちが、掌の中で踊っていることに。 瞳に映る幾十の姿がもがき苦しむ様を見て、愉悦に浸り口の端を醜く歪ませる。 進め、進め。破滅へと突き進め。しかしこの破滅は終わりではない。 この破滅は――始まりなのだ。破滅の先には願いが残る。願いと共に、始まりがある。 今、更に命が失われた。 ◇ 『彼』が牙を剥いたとき、少女の命は即座に奪われた。 痛みを感じる暇さえもなく、本当に呆気なく、少女は死んだ。 『彼』の心に人を殺した忌避感などない。『彼』はこれまでに、何度も何度も人の命を奪ってきた。 人を殺すことを生業にして、『彼』は今まで生きてきた。 だからといって、『彼』が生来のシリアルキラーであったり、殺人に異常な執着を見せる性癖を持ち合わせているというわけではない。 『彼』が人を殺すのは、『彼女』を守るためだ。 『彼女』をありとあらゆる害と悪から守り抜くために得た知識と技術を用いて、『彼』は仕事/殺人を遂行する。 依頼成功率100%――東日本最高の殺し屋の異名を持つ『彼』の名は、弑・四方儀。 弑は、この殺人ゲームにおいて、狩る側になることを決めた。 最終的な目的は、殺人ゲームに巻き込まれた『彼女』を生還させること。 最初はゲームの趣旨に反して『彼女』を会場から脱出させることも考えたが、不正な手段で逃亡したところで再び『彼女』に危険が迫る可能性が高い。 ならば、選ぶべきは正攻法――『彼女』を最後の一人にするしかない。 プレシアが最後の一人に手出しをしない保証はない。 しかし、それでも、それが『彼女』の安全を守る最善の策ならば、弑は乗るしかない。 幸いにして、殺人は弑が最も得意とする分野だ――勝算は十分にある。 静馬夕歩、と名乗った少女には弑の方から近付いた。 いきなり襲うような真似はしない。無害を装い、相手の警戒心をなるたけ解いてからの接触。 二言三言かわしただけで静馬は弑に対する警戒を解き、口下手ながらに彼女とその知り合いの情報を喋ってくれた。 夕歩には、このような殺し合いに巻き込まれる覚えはないこと。 彼女の学友たちの名前も名簿に記されていたこと。 皆ある程度の剣の心得はあるものの、殺し合いの経験など皆無な一般女学生であること―― そこまで聞いて、弑は夕歩の殺害を決行した。 じゃれつく子猫のように、後ろから夕歩に抱きつく。 最後の表情は、困惑したような、照れたような、とても可愛らしいそれ。 見るもの全てを蕩けさせるような表情を浮かべたまま、夕歩の首が90度折れ曲がる。 武器の一つも使わずに、弑は静馬夕歩の命を奪い去った。 「まず、一人――」 表情一つ変えず、夕歩に支給された装備を物色する。 弑の中には人を殺したことによる罪悪感も達成感も何もない。 まだ、一人。弑はこれから数十の命を奪わなければならないのだ。 こんなところでいちいち心を動かす余裕などない。 がたり。 振り返る――尻餅をついた少女が、視界の中に入ってくる。 少女は目尻に涙を浮かべ、がたがたと震えている。 弑を見て――ではなく、首があり得ない方向に折れ曲がった夕歩の死体を見てのことだろう。 少女が着るセーラー服とこの反応からして、夕歩と同じく荒事とは縁遠い『表』の世界の人間に違いない。 「おい」 「ひっ……!」 ああ――間違いない。こいつは、今までぬくぬくと生きてきただけの人間だ。 自分が生きていることが当たり前過ぎて、生きることに必死になったことがない人間だ。 「お前は、死にたくないと思うか?」 唐突な問いかけにしばらくぽかんとしていた少女だったが、言葉の意味を理解した途端に、強く頷き始めた。 既に涙は目尻から溢れ、しかし腰でも抜けたのかべたりと地面に尻をつけたままだ。 醜いな、と弑は思う。生きることに無頓着な人間ほど、死に際は醜い。 逆に悪人ほど、死に際は潔い。悪を為して身を成した人間には、死に対する覚悟がある。 そういう意味で、この少女は呆れ返るほどに善人なのだろう。 誰だって、死にたくなんかない。 それでも死は、すべての人間に平等に訪れる。 要はそれが早いか遅いかというだけの違いだ。 その違いに、人は執着する。そのために、鬼にも悪魔にもなる。 「死にたくない――なら、どうしてぼくを殺そうとしない? ぼくを殺せれば、少なくとも目の前の危険は排除できる。 そのくらい分かってるだろう?」 それさえも分かっていないのなら、最初からこんな猶予を与えたりはしない。 少女の手に黒く光る拳銃が握られていたからこその質問だ。 「この場所に、お前の知り合いはいるか?」 ぷるぷると小動物のように少女は頷く。 「お前は、そいつらを殺せるか? そいつらを殺して、自分が生き延びる道を選べるか?」 少女の嗚咽は、更に激しくなる。 薄々と、弑がこの質問をしてきた意味を理解したのだ。 もし、最後の一人を目指すとして。 一人で他の四十人弱を殺すのは、非効率極まりない。 最後の一人になれればいいのだ。人数を減らすのは、必ずしも自分でやらなくとも。 たとえば、そう。見ず知らずの人間よりも、元々知り合いだった人間の方が、まだ信用できる。 そこに、隙が生まれる。だから、殺人の難易度だけ考えれば、知り合いを殺す方が、きっと簡単だ。 油断した隙を狙えば、きっと、わたしでも殺せる。 わたしなら――宮永咲なら、清澄のみんなを、殺せる。 殺せると言えば、わたしはきっと見逃されるだろう。 その代わり、わたしはきっとみんなを殺さなければいけなくなる。 原村さんと、優希ちゃんと、部長を。 わたしは、殺せる? 自分が生き延びるために、みんなを殺せる? 答えが――答えが、出なかった。 この沈黙は、否定としか捉えられないだろう。 きっとわたしも殺される。あそこで転がっている子のように首を折られて殺されるのか。 この銃を奪われて撃たれるのか。奪われる前に撃ってしまう? ううん、きっとそんなことは出来ない。 結局のところ、わたしは何にも決められなかったのだ。 殺したくない――死にたくない。 どちらを選ぶことも出来ず、ただ黙っているだけ。 死にたくないなら、這いつくばってでも命乞いをして、誰でも殺すと言えばいい。 殺したくないなら、胸を張ってそう答えて、誇りを抱えて死ねばいい。 どちらも選べない半端者のわたしは、きっとこのまま死んでいく。 涙と一緒に色んなものを垂れ流して、後悔にまみれて死んでいく。 こんな異常な場所で、普通でいたくて。 でもこんな異常な場所で普通を貫けるだけの異常でもなくて。 わたしは、ただここで―― 「――死になよ」 【静馬夕歩 死亡】 【宮永咲 死亡】 ◇ ――都城王土は、生まれながらにしての王だった。 王となるべくして生まれた彼は、王となるべき力を持ち、しかし王となることを拒んだ男でもあった。 彼の言葉は王の言葉だ。 王の言葉は絶対で、だから彼の言葉を聞いたものは逆らうことが出来なかった。 しかし律せぬ力だけを持てば、暴君にしかなり得ない。 力を支配できるだけの心があってこそ、王は王たりえる。 彼は、王の地位を拒み、王の力を自制すべく、王を捨て、人を避けた。 だが――『王』は、彼を掴んで離さなかった。 幾年にも及ぶ彼の努力もむなしく、王の力はまるで呪いのように彼の心さえも蝕んだ。 己の持つ力に屈した都城王土は、だれも寄せ付けぬ絶対にして傲慢な王となった。 「――跪け(ヒザマズケ)」 王土の言葉に、また一人地に倒れ伏す。 倒れた男の名はスプレイ。超古代文明の機器を全身に組み込んだ機械人間(チューンマン)。 取るに足らぬ愚民の一人であるスプレイが、どうして王に逆らうのか。 いくら歯向かったところで、王の前には平伏すのみ。何も得るものなど無いというのに。 「見ず知らずの小娘を助け、それで満足か? 機械男よ」 「……プシュー。うるせーんだよ、ファック野郎。ンだおめー、王だのなんだの。 いい歳こいて厨二病かよ、ダッセーな」 「フン、減らず口を。あくまで俺に歯向かうというのなら――よかろう。そこで朽ちていけ」 王を敬え。崇めよ。平伏せ。跪け。服従せよ。 王の命令がスプレイの痩身を縛る。 言葉は更に激しく、熾烈なものになる。 王土の言葉の正体――それは、電気信号そのものの放出。 生物も、機械も、突き詰めれば電気信号による命令で動いている。 王土はその命令そのものを上書きし、電気の届く範囲にあるありとあらゆる存在を、自分の意のままに操ることができるのだ。 スプレイの全身に埋め込まれた機械が、悲鳴を上げる。 主の意にそぐわぬ命令が、絶え間なしに送られてくる。 既に、どの命令が本物で、どの命令が偽物か判別さえもままならない。 「ぐッ……!」 「辛いか? 苦しいか? それこそが、王に逆らった罰だ」 ――死ね(シネ)。 【スプレイ 死亡】 ◇ 加治木ゆみは、走っていた。逃げ出したのだ。 自ら王を名乗る男と、自分をかばってあの場に残ったスプレイと、その両方から。 逃げ出して、生き延びてしまった。 修羅場の経験一つないゆみでさえ、正対した瞬間に悟ったのだ。 ――この人間は、自分とは違う。生物としてのステージが、まるで違う。 あの場にいれば、自分は真っ先に命を落としていたに違いない。 だから、逃げろと言われた途端に、脇目も振らず逃げ出した。 私は、弱い人間だ。 牌を少々握れる他には取り立てて取り柄もなく、至極平凡な人生を歩んできた。 喧嘩さえもろくにしたことがなく、まして命の奪い合いをすることになるなど、想像の埒外もいいところだ。 だが、現実として、私はいつ命を奪われてもおかしくない盤上に立たされている。 何故、自分が――と、思う気持ちも少なくない。 先に述べたように、私には特別なものなど何もないからだ。 選別に何かしらの基準があったとして、自分がそれにパスするとは到底思えなかった。 いや、むしろ――誰でもいい、のか。 普通であるということが、ステータスなのか。 逃げ惑い、泣き叫ぶ役も、この死亡遊戯には必要ということか。 ――会いたい。会いたいよ、モモ。 走るのに疲れ、思考に疲れ、最後に浮かんできたのは後輩の顔だった。 東横桃子――ゆみが最も信頼する、鶴賀高校麻雀部の一員だ。 彼女を初めて見つけたときのあの感覚は、今でも覚えている。 歓喜と期待が入り交じったそれはゆみの身体を震わせ、後輩の教室まで赴き公衆面前の前で桃子を求めるほどの熱を生み出した。 その熱が、段々と形を変え――今では、熱ではなく、温もりになっている。 傍にいてほしい。ただ、そう願える存在になっていた。 桃子の名前も、名簿には記されていた。 もう、二人でずっと一緒にいることは、叶わない夢になってしまった。 せめて、会いたい。何も言えないまま別れるのだけは嫌だ。 会って、今までどれだけお前に助けられてきたのか、伝えたい。 伝えたい気持ちは、いっぱいあるんだ。話したいことも、いっぱいあるんだ。 ――でも、もう、どんな顔をしてお前と会えばいいのか、分からなくなってしまったよ。 自分はスプレイを見殺しにした。逃げたんだ。 そこまでして、生き延びても――胸を張って、お前と会えない。 ――私は、生きたいのかな。それとも、死にたいのかな。 ◇ 魔法使いが笑っている。 舞台は進行している。もう、誰にも止められやしないだろう。 儀式は完遂され、悲願は成就する。 愛しい我が子も、更なる怒りと悲しみを振り撒いている。 数日もしないうちに、蟲毒は完成する。 最後の一人になるまで、殺せ、殺せ、殺し合え。 残り――34人。 【D-5 市街地】 back シリアス・プラン next BAD DREAMS 弑 夕歩 咲 王土 スプレイ ゆみ